私たち消費者は、店頭でモノやサービスを買う時にそれらをどのようにして選んでいるのでしょうか。何を基準にして、何を考えてモノやサービスを選択するのでしょうか。私たちはきっと、過去の経験や口コミと自己をとりまく環境などによってニーズやウォンツを感じ、モノやサービスを知覚して、選択しているでしょう。そして、購買後にモノやサービスを使用した結果、満足や不満足を感じています。このように私たちの選択は、非常に多くのことが関係しています。
本講義では、消費者が購買や所有、使用といった消費活動を行う際にどのような要因が介在し、影響しあい、いかなる結果が生じるかについて考えていきます。
消費者行動論では、まず消費者行動とマーケティングとの関係をはじめ、消費者行動を知ることがなぜ重要なのかを説明します。また、消費者行動はこれまでどのように捉えられてきたのかについて概略をお話ししたのち、消費者の購買行動のプロセスに沿って学んでいきます。とりわけ、消費者の購買に影響を与える要因をマクロとミクロの視点から解説した上、我が国の消費者意識変化や現在の消費動向、および消費者問題についても考えていきます。